校長メッセージ

一昔前の西部劇に出てくるような、乾いた荒れ地が広がっていると思われがちのアリゾナは、今や全米第5位の大都市となり、近年その発展は著しく、在アリゾナ日本人の数も増加の一途を辿っています。

1991年に生徒数57人でスタートした、アリゾナ州唯一の日本語補習校であるアリゾナ学園スクールは、2019年現在、その生徒数は5倍となり、250名以上の児童・生徒がその学び舎であるメサ・コミュニティ・カレッジに毎週土曜日に集まってきます。今日、このように多くの子供達が学ぶ、充実した学園の取り組みとこれまでの発展は、先任のケリー・モア校長先生他、開校以来、多くの方々の献身的な努力の賜物であり、現在も教職員一同が一丸となり、地域の皆様のご要望にお応えできるよう、その努力を続けています。

本校は、日本からの駐在員家庭に加え、多くの現地在住・永住日本人家庭、国際結婚家庭を背景に持つ生徒達で構成されています。異なる家庭環境を持った子供たちへの期待は当然のように異なるのですが、それぞれの児童・生徒、及び保護者のニーズに応じ、日本文化を背景とした日本語での教育を行うことにより、このアリゾナの地で子供達が伸び伸びと、健やかに成長していけるよう支援することが本校の使命であると考えています。

補習校は、年間授業日数が全日制とは異なりますが、その非常に限られた状況の中でも、日本の文部科学省が定める学習指導要領に沿った授業を進めています。しかしながら、授業内容の充実、習熟度の異なる子供達への対応、又、教員の確保等、本校の抱える課題は決して少なくないのが現状です。

この課題に取り組んでいくためには、地域の皆様、保護者の皆様のご理解、及びご協力が必要不可欠であり、アリゾナ学園での活動に積極的にご参加、ご支援をいただけますことが、本校のより良い学習環境の構築に繋がるものと考えています。

また、補習校に通う子供達にとっての良い学習環境とは、家庭での学習が非常に大きな比重を占めるものであり、毎日の保護者の皆様による、子供達の学習活動への積極的な取り組みなくしては、成り立たないものです。本校の児童・生徒達には、日本人としての日本語力と日本文化を身につけ、積極的に国際社会の中で活躍していけるグローバル人材に育ってもらいたいと願って止みません。その実現に向けて、どうぞ、皆様のご理解とご支援をいただけます様、心よりお願いいたします。

アリゾナ学園スクール 校長 平野久美子